隠岐2日目
今回、急に思い立っての旅だったので、
最初、隠岐でホテルが満杯で予約できなかった。
あきらめて別の所を物色中に、再度、アクセスしてみたら
一室、予約OKになっていたので、すぐさま予約。
私のように2~3軒の宿泊先をとりあえず予約しておいて
あとからキャンセルする輩が大勢いるのだろう。
ということで選択の余地なしに泊まったホテルだったのだが、
立地は港のすぐそばで、すごくよい…
それはよいのだけれど、部屋に入るとなんか違和感。
なんかTVと冷蔵庫の位置がおかしくね?
画像には写っていないのだけれど、この手前に大きなソファがある。
このソファを入れるがために、本来壁際にあったと思われる
カウンターを部屋の中央に持ってきたのか…
ホテルに泊まってTVの裏側をマジマジ見たのは初めて(だと思う)
トリプルで予約が入った時のエキストラベッドのかわりのソファかな??
と思ってたのだけれど、その夜、このソファがものすごく役にたってくれた。
ベッドに寝たはいいけど、ベッドマットがヘタれてて
スプリングがボコボコ飛び出してるのか、体にあたって痛くて眠れない。
という訳で、掛布団と枕を抱えてソファに移動。
という、これまでの旅行で経験したことのない経験をした。
「絶対に低評価の口コミ書いてやる!」
と固く心に刻みながらソファで寝た。
朝、フロントで
「ベッドを変えるか部屋を変えるかして、今晩は寝られるようにして下さい」
と言ってから朝食をとっていると、
「申し訳ございませんでした。別のお部屋の準備が出来ましたので、
今夜はごゆっくりお休み下さい」
とルームキーをもってきてくれた。
朝食後に変更してもらった部屋に行くと、
なんとこれは
「スィートルームじゃないの?」
ベッドも広々、ソファーセットも広々…
口コミ書いてやる!の意気込みは消沈~
「めっちゃええやん~」
と気分がすぐに変わる良い性格。
ということで今日は、いよいよ「後醍醐天皇脱出ツァー」
後鳥羽上皇が流されたのが、中の島と言われる海士町。
行きたかったけれど、2泊3日では3つの島をまわれない、
ということで諦めた。
宿泊してる隠岐の島町は別名「島後」と呼ばれ
後醍醐天皇が流されたのが、「島前」と呼ばれる3つの島のうちの西ノ島町。
島後の「隠岐の島町」であったという説もあるため隠岐の島町には
天皇の御在所とされた「国分寺」もある。
けれど、現在、後醍醐天皇御在所として隠岐の観光として
大きく紹介されているのは、西ノ島の黒木御所なので、
そちらで後醍醐天皇を偲ぶことに。
西ノ島へ渡るにはフェリーで1時間ほどかかる。
レンタカーはもう不要なので返却し、レンタカーの営業所から
港まで歩いている時に、ファミリーレストランという店の前を
通る。
うん、ここはファミリーレストラン、うちらが行ってるのはファミレス、
って感じでなんか納得(意味不明の納得)
ファミレスと省略しては呼べない感じ。
とりあえず船の切符を買う
船室には等級があり、往復チケットは2等船室のみ、らしい。
格上げするにはどうしたら?と聞いたら
「船に乗ってから」
結構、大きなフェリー「しらしま」
乗船時刻になって船中へいく通路には
だって。
隠岐の人ってダジャレ好き、みたい。
「ROWSOKUN」といい、山陰とは思えない明るさ、がある。
船に入ると2等船室は、ごっつい感じのオッチャンらが
ゴロゴロいっぱい寝そべってる。
その中で場所を確保するのは、ちょっと抵抗あり、
「いやぁ、ココは無理っしょ」
で、係員の人をつかまえて1等船室とか特別室とかに乗るには
どうしたらいいのか聞いてみることに。
「その場所におってくれたら後から集金に行きます」
なんてのどかなの(^^)v
でも、1等とか特別室は個室なのでカギがかかってて入れない。
で、ココ「特2等」にいたら、係のお兄さんが来た。
差額は¥500くらいだったかな??
1等だと¥2000くらいするらしい。
どうしようか、と相談してたら、お兄さんが
「いや、もったいないっすよ、ココで十分」
たしかに見まわしたら、数人しかいない。
まあ、個室みたいなもん…
で、スニーカーを脱いで下駄箱に入れて
テキトーなところに座る。
もたれようと思った棚には枕がいっぱい並んでる。
「この枕で、到着するまで昼寝するわけね」
と横になる。時間的には昼寝じゃなくて朝寝だけど。
寝転がったら船酔いするかな、と思ったけど、結構安定してて
船だってこと、あまり感じない。
ゴロゴロ、ダラダラ、スマホゲームをやっているうちに
西ノ島町に到着。
「後醍醐天皇脱出ツァー」というのは西ノ島町のタクシー会社が
勝手にやってるやつで、いうなれば観光バスのタクシー版!
予約済みだったので港まで、ドライバーさんが迎えにきてくれてた。
「脱出ツァー」っていうから、本当に後醍醐天皇が歩いた山道とかを
行くのかと思ったら、
後醍醐天皇が過ごした御在所、船を待つ間に座ったといわれる石、
後醍醐天皇に関わるモロモロのものを展示してある資料館。
後醍醐天皇が逃亡しないように見張ってた「見附島」の遠景、
だけだった。
要するにタクシー会社が勝手に名付けた観光タクシーだったという訳だ。
ま、たしかに飛行機で行った段階から間違ってるよな。
本来なら、御在所から山越えをして、蒸気船ではなくて帆船で
境港あたりの本土に着かなければ「脱出ツァー」にはならんもんな。
甘かった…
とは言え、色々な解説も聞けて、結構、楽しめたのである。
まずは、鳥居をくぐって左手にある「碧風館」という資料館
ここに様々な資料が展示されている
後醍醐天皇の肖像画だとか脱出ルートだとか…
碧風館の館長らしき初老のオッチャンと昔の大河ドラマの話で
盛り上がる。
歴史好きに火をつけると止まらなくなる、、のは知ってたのに
ついつい火をつけてしまった。
本来なら15分程度の見学が40分くらいに…
でも、最近、耳が聞こえにくいのと、そのオッチャンの滑舌が
悪いので、実のところ、話は半分くらいしかわからなかった。
おまけに、後からドライバーさんに聞いたら、館長さんでもなんでもなくて
4人のガイドさんが当番制みたいな感じでボランティアでやってるらしい。
なんだ、そうだったのか…
なんか腑に落ちない話も色々あったような気がしたのは
そのためか…
資料館を出ると後醍醐天皇がおられたという御在所へ。
ドライバーさんが「行きますか?」というので
そりゃ、「ここまで来たら行きますよ」
ふと見ると階段が続いている…
そっか、かなりの階段なのでここでやめる人、多いのかも。
階段の途中に妙な銅像???
そばにあった解説を読むと、日露戦争時に、日本海に沈んだ
ロシア艦隊から引き揚げられた弾らしい。
たしかに、ここ、日本海の島だから、さもありなん。
だけど、後醍醐天皇と何の関係があるの??
で、百数十段の階段を上り切ったところにあった御在所。
狭っ!!
皇太子殿下、妃殿下の植樹の記念碑が立っている。
まだ、若木なので、今上天皇が皇太子の頃に植えられたんだろうか??
歴代天皇がここまで来られてるというのは、後醍醐天皇の力、
なんでしょうか???
次に連れて行ってもらったのは、後醍醐天皇が山道を抜けて
船が来るのを待つ間に腰かけたという石
なんと、ココの両サイドは普通の住宅で、
家の間の細い道を入っていったところにある。
住人からしたら、庭先に知らん観光客がウロチョロ入ってくる
みたいな感じで落ち着かな愛だろうなぁ、
といってもこの両脇のお家は、後醍醐天皇が脱出する際に
色々と助けた人々の子孫とのこと。
片方の家は昔風のどっしりとした構えだけれど、
もう片方の家は今風の住宅メーカーであろう家。
こちらには、若夫婦が住んでるのかな??
などとあらぬ想像までしてしまう・・・(笑)
そのあとは海岸線から、後醍醐天皇が逃げ出さないように
見張ってたという「見附島」を車窓見学。
別の島から見張ることができたのか?
というと、脱出するには必ず、その島との間を船で渡るだろう、
ということから見張りをしてたらしい。
つまりは山越えはそれ程、過酷なので考えもしなかったのだろう。
おまけに後鳥羽上皇はそのまま隠岐で死んでるので、
「まさか脱出なんてするわけない」
と後醍醐天皇を甘くみてたのかもね。
ま、そんなこんなで、ツァーというにはちょっと、、
だったけど、後醍醐天皇に関してボヤーっとしてたのが
「オトコ、後醍醐天皇、なかなかやるやん!」
と、なんだか親しみを感じてきた。
山越えをするには山伏の協力が必要だったであろうし、
船の調達は村上水軍の一派の協力があったらしく、
村の人々など、色んな人の協力があったのは
後醍醐天皇の人柄だったのではないか、
と碧風館のガイドのオッチャンが教えてくれた。
となんだかんだとお勉強になったのであります。
観光タクシーのお兄さんには、次の国賀海岸の遊覧船発着所
まで送ってもらって、バイバイ。
午前中2時間くらい、まわってもらって2人で¥9500くらい。
まあ、そんなもんでしょ、とても親切にしていただいた。
ちょうどランチの時間なので、
近くにあった、カッコよくいえばフィッシャマンズワーフ、
見た限り、とれとれ魚を庭先で食べさせてくれる屋台??
正式名称は「にしわき鮮魚店」
店内でなく、横の屋根らしきものがあるところで食す。
少し時間が早かったからか、他にお客さんんはおらず、
おそらくこの店の主人であろう、歯が全部抜けたオッチャンが
ボーっと海をみて座ってる、で、奥さんであろう初老のオバチャンが
食事の用意をしてくれた。
朝食をしっかり食べてたので、あまりお腹空いてない。
一人前食べるのは、ちょっとキツイな、ということで
「天然鮑の炊き込み定食」を2人で分け分けして食べた。
炊き込みご飯も、鯛の刺身もめちゃ美味しかった。
お腹がいっぱいになったところで、西ノ島の西側、
国賀を海側からみる遊覧船に乗る。
ここは陸側から見ても良いらしく、そちらは
観光バスがあるとのこと。