アロマショップに精油を買いに行った時とか、
アロマテラピーの本をちょっと読んでみた時とか、
ローズが2種類あったり、書かれたりしてて、
「どちらがローズなの?」
って思ったことはありませんか?
精油の場合、区別するために
それぞれに名前が付けられています
1つは「ローズオットー」
もう1つが「ローズアブソリュート」です
小学生でも理解しやすいように、わかりやすく解説します
ローズオットーとローズアブソリュート、何がちがうの?
ローズオットーとローズアブソリュートの違いは
精油のとり方にあります。
ローズオットーは水蒸気蒸留法
ローズアブソリュートは揮発性有機溶剤抽出法
というやりかたで、精油は作られます
水蒸気蒸留法とは
水蒸気蒸留法は、大きなステンレス製の釜を使います。
(昔は殆ど銅製でしたが、今はステンレスが主流です)
釜の中にバラの花をたくさん入れて、密閉し、
下から水蒸気を送り込みます。
水蒸気はバラの花の中を通り抜けて上へ、上へと上がっていきます。
その時にバラの花に含まれている成分も一緒に上がっていきます。
そうして熱くなった水蒸気を今度は冷やします。
すると、気体であった水蒸気は再び水にもどります。
再び液体に戻った「水」は、最初の水とはちがって
バラの成分を含んだ「水」です。
この時に、「精油は水には溶けない」という性質から
水の上に、脂分だけが浮きます。
それが精油です。
このような抽出の仕方を「水蒸気蒸留法」と言い、
こうしてバラからとった精油が「ローズオットー」です。
昔は、ブルガリア産のダマスクローズから水蒸気蒸留法で
とったものだけを「ローズオットー」という、と言われて
いましたが、現在は、産地がどこであっても
水蒸気蒸留法でとられたものは全て「ローズオットー」と
呼ばれています。
水蒸気蒸留法の結果、精油以外にできるもの
再び液体にもどった「水」は
「精油成分」と「水」
から成り立ちます。
バラの中には、精油のように水に溶けないもの(脂溶成分)
だけではなく、
水に溶ける成分もあります(水溶性成分)
この水のことを「芳香蒸留水」とか「ローズウォーター」
などと呼びます。
ただの「水」ではなくて、バラに含まれる成分が入っているので
とても良い香りがします。
そのまま化粧水やボディローションや、ルームコロンなどとして
使えます。
揮発性有機溶剤抽出法とは
揮発性有機溶剤とは、「溶剤」という字を見ての通り
物質を溶かすものです。
身近なところでは、マニキュアの除光液であるアセトンや、
ミシン油、接着剤、シミをとるベンジン、シンナーや
ペンキなどがあります。
精油をとる場合は、ヘキサンという溶剤を使いますが、
ヘキサンとバラの花を混ぜると、バラの中に含まれている
色素やワックスや香りの成分が溶け出します。
溶剤は揮発性なので、そのまま揮発してしまい、
それらは塊となって残ります。
その塊のことを「コンクリート」といいます。
その後、コンクリートとアルコールを混ぜると
香りの成分はアルコールに溶けます。
アルコールも揮発性ですから、揮発した後に残ったものが
香りの成分、つまりは「精油」なのです。
このようにして花から抽出した精油のことを
「アブソリュート」と言います。
揮発性有機溶剤抽出法のメリットとデメリット
揮発性有機溶剤法を利用すると、水蒸気蒸留法に比べて
大量の精油がとれます。(メリット)
が、
揮発性有機溶剤は、市販品にもよく使われているとはいえ、
毒性もあり、副作用等もあり、規制もあります。
殆どの成分が揮発してしまいますが、どの程度、残るのかは
わかりません。(デメリット)
蒸留法が違うと?
精油の中に含まれる分子がちがってきます。
水蒸気蒸留法の場合
水蒸気蒸留法の場合は、蒸気にのって上っていけるような
軽い分子のものしか含まれません。
分子量が多くて重たいものは、蒸留しても下方に残ってしまいます。
たとえば炭素の分子「C」が2個よりも、3個ある方が重たいし
3個あるよりも4個ある方が重たいですよね
揮発性有機溶剤抽出法の場合
揮発性有機溶剤抽出法の場合は、
バラに含まれている香りを作っているすべての成分、
(分子量が軽いものも、重たいものも)がとれます。
水蒸気蒸留法では含まれない香りの成分もとれるので、
強い香りになります。
実際のバラの香りに近いのは、コチラの方でしょう。
まとめ
どちらを選べばいい?
アロマテラピー(芳香療法)として使用するのであれば
「ローズオットー」です。
含有成分が分析されている良い精油を使えば、価格に見合うだけの
効果を得ることができます。
精油がもっている何らかの作用や効果を期待せず、
香水などのフレグランス用として使用するのであれば
「ローズアブソリュート」でよいでしょう。
市販の化粧品の中に使われている「天然香料」と記載されているものは
殆どがアブソリュートです。
化粧品に使われているので、安全性については規格がありますので、
安心して使っていただいても構わないと思います。
どちらを使うかは、好みの問題なのですが、
アロマセラピストの立場から、ローズがもつ素晴らしい作用を
スキンケアにとりこんでいきたいのであれば
「ローズオットー」をおススメします!
(あくまでも個人の見解です)