ローズマリーは、とても丈夫なハーブのひとつです。
どこに植えても、育ってくれるのであちらこちらのお庭でみかけます。
放っておくと、どんどん大きくなってしまうローズマリー！
ハーブというのは元々「薬草」という意味ですので、
ハーブであるローズマリーには「薬効」があります。
ローズマリーの歴史
その薬効
そして使い方をお伝えします。
世界の歴史で活躍するローズマリー
ローズマリーの歴史は古く、様々な逸話がたくさん残されています。
聖書に出てくるローズマリー
ベツレヘムの馬小屋で産まれた救世主イエス・キリスト。
母マリアが乳飲み子のイエスを抱いてエジプトから出奔する途中、
ひと休みをした時に、イエスをくるんでいた青いおくるみを
近くにあったローズマリーの生け垣に干したところ、
それまでは白い花をつけていたローズマリーの花が、ブルーになった、
といわれています。
ローズマリーという名も、「ローズ」と「マリー」に分けて
マリーのバラ、つまり「マリア様のバラ」と考えられ、
以後、別名（ニックネーム）となった、ということです。
古代エジプト人も愛したローズマリー
エジプト第一王朝の墓からローズマリーの痕跡が発見されたことから、
古代エジプト人はローズマリーを好んでいたと推測されます。
ハンガリアンウォーターの素となったローズマリー
13世紀頃、ハンガリーのエリザベート王妃は、
70才を超えて四肢に痛みや麻痺に悩まされていました。
それを見かねた、ある修道僧が
ローズマリーをベースに他のハーブも混ぜて
アルコールに漬け込んだチンキを献上！
そのチンキを飲んだりマッサージに使用したりした王妃は
痛みもなくなり、元気になったどころか、ものすごく
若返り、その美しさに隣国ポーランドの若き王子から
プロポーズされた、という逸話が残っています。
以来、そのチンキは
「ハンガリアンウォーター」とか
「ハンガリー王妃の若返りの水」
などと呼ばれ、今に受け継がれています。
シェークスピアの名作ハムレットに出てくるローズマリー
有名なハムレットの劇中にもローズマリーは出てきます。
正気を失ったハムレットの恋人オフィーリアが、ハムレットだと
勘違いして、兄にローズマリーを手渡し、
「私を忘れないで」
というセリフを残して溺死してしまいます。
当初、翻訳された際には、「Don’t forget me」が直訳されて
「忘れな草」とされていたようですが、その後、ローズマリーに
修正されています。
以後、ローズマリーは「記憶のハーブ」とも云われています。
ローズマリーの形態は2種類
ローズマリーには、木立型と匍匐型の2種類があります。
お庭にあるローズマリーはどちらでしょう？
こちらは「木立型」
上に向かってズンズンと伸びていきます。
ローズマリーは草ではなくて「木」ですので、
成長するにつれて、幹が太くなっていきます。
マリアがイエスのおくるみを干したのも、木立型でしょう。
今でも、ヨーロッパではローズマリーを生け垣に植えている家も
多い、とのことです。
地面を這うように、伸びていくのが「匍匐（ほふく）型」です。
少し高いところに植えると、下に垂れていきます。
木立型に比べて、葉が柔らかいように思えます。
木立型にせよ、匍匐型にせよ、ローズマリーとしての作用は
同じです。
ローズマリーの作用
ローズマリーは色々な作用をもっていますが、
代表的なものとしては、「記憶」に関わるものでしょう。
脳への血流を促進して、集中力や記憶力を高める作用が
あることから、最近は「認知症予防」にローズマリーの精油で
嗅覚を刺激するとよい、と喧伝されるようになりました。
ローズマリーの使い方
お庭にあるハーブとしての使い方としては、
そのままカットして花器やガラスコップなどに挿す
・集中力や記憶力をアップするので、子供部屋や仕事用デスクの上に！
・消臭作用や抗菌作用があるので、玄関やトイレに！
オリーブ油やホホバ油に漬け込んでローズマリー油をつくる
・髪によい作用があるので、シャンプー前の頭皮マッサージに！
＜やり方＞
頭皮につけてマッサージをしたあと、電子レンジで作った
ホットタオルを巻き、ラップ、もしくはシャワーキャップで
つつみ、10～15分後にシャンプーをします。
＜効用＞
頭皮を健やかに保ち、健康な髪に導きます。
フケ、若ハゲ予防によい、とされています。
・皮膚の細胞を活性化する作用があるので、
ミツロウやワセリンに混ぜてローズマリークリームに！
そのまま、ボディオイルに！
ウォッカやアルコールに漬け込んでローズマリーチンキをつくる
・皮膚細胞を元気にする作用があるので、
精製水や蒸留水で薄めてスキンケアローション、
ヘアローション、マウスウォッシュなどに
・抗菌、抗ウィルス作用があるので、
精製水や蒸留水で薄めたものをスプレー容器にいれて
ルームコロンや、マスクなどに
注）マスクにスプレーをするときは外側にしてください
長い枝が数本あればリースを作る
ローズマリーは常緑樹です。
キリスト教の世界では、常緑のものは「永遠の命」を表すといわれています。
ローズマリーの枝を輪にしてリースを作り、木の実や赤いリボンなどで飾れば
簡単にクリスマスリースも作れます。
小さなリースをたくさん作って、ツリーのオーナメントにしてもステキです。
まとめ
ローズマリーは丈夫で、あまり手をかけなくてもよく育ってくれます。
お庭に植えたり、鉢植えで窓辺においたりして、伸びてきたら剪定して
色々な用途に使うことができる、とても便利なハーブです。
そして様々な作用をもつことから、大昔から使われてきたのだと思われます。
ハーブ初心者にもオススメです！
